NY・Sentimental
「わたしが赴任してから返してね。決心が鈍るのは困るから」
「カレン、逃げても追って来る運命からはきっと逃げられないよ?」
「もし、本当に運命ならね」
でも、落とした靴ーーわたしの場合はティアラだったけどーーを拾った王子は、本物の王子じゃなかったのよ。
わたしにはきっと本物の王子はいないのかもしれないな。
そこで自嘲的な笑みが口の端に上り、わたしは背筋を伸ばして上を向いた。
王子様が落とした靴を持って迎えにきたのは御伽話の中だけよ。
わたしには現実的な問題が目の前に迫っていて、その突破口が奇跡的に開けたのだ。
甘ったれてこのチャンスを逃している場合じゃない。
「カレン、逃げても追って来る運命からはきっと逃げられないよ?」
「もし、本当に運命ならね」
でも、落とした靴ーーわたしの場合はティアラだったけどーーを拾った王子は、本物の王子じゃなかったのよ。
わたしにはきっと本物の王子はいないのかもしれないな。
そこで自嘲的な笑みが口の端に上り、わたしは背筋を伸ばして上を向いた。
王子様が落とした靴を持って迎えにきたのは御伽話の中だけよ。
わたしには現実的な問題が目の前に迫っていて、その突破口が奇跡的に開けたのだ。
甘ったれてこのチャンスを逃している場合じゃない。