NY・Sentimental
そう言ってまた、セイジを挑戦的に見すえながらボタンをゆっくり外した。
「そういう動作は男の前でやらないほうがいい」
「誤解しないで。男じゃなくて部下よ。それにあなたがやらせているのよね? 一度目も二度目も」
「そういうことになるかな」
「二度としないで。上司命令よ」
「嫌ですね。どこにおかしな男が転がってるかわからない。あなたの完璧にデフォルメされた身体で、あれは危ない。俺はそういうのをほおっておけないタチなんですよ。ボタンを留めてたってちゃんと契約は取れたでしょ?」
「上司の命令に逆らうの?」
「逆らいますね」