NY・Sentimental

「これの、せい? なんで俺に確かめもせず」


「だわよね。何度も何度も確かめろって忠告したわ。でも、カレンは聞きゃしなかった」


「もう、その子とはなんでもないんだよ」


俺はため息をついてジェシーから渡された注文書、指輪の注文書を見つめた。


「もう?」


「いや、全くつきあったことさえない子。日本にいた頃の、俺の完全な片思いの相手」


「カレン、その子からセイジのところにエアメールが来てるのも見てるんだよ」


そうだったのか。


ただの近況報告なのにな。


「話せば長いんだ」


「話してよ」

< 317 / 351 >

この作品をシェア

pagetop