NY・Sentimental

「二度とこんなことはさせないわ。ボタンを留める時、わたしに触ったでしょ? それはセクハラよ」
「触ったのは服だ。それにあなたはそのことに気づきもしなかった。気づきもしないことがセクハラ? しかも外したんじゃなく留めたんだ」
「もう一度言うわ。セイジ。上司命令よ」
「じゃあ、俺が上司になればいいんですね?」

ふぅん。

お客様一番、丁寧一番の日本式のやり方一本でここまで来た男かと思っていたら、最初の印象を面白いくらい覆してくれるじゃない。

「やれるもんならやってみれば?」
「ええ。当面の目標ができましたよ」


< 32 / 351 >

この作品をシェア

pagetop