NY・Sentimental
運命の相手が世界のどこかにいると、あの二人をみていて、最後は納得できるようになった。


極度の女性不信だった俺も、あの二人のおかげで、日本を立つころにはきっと俺の運命の相手もこの地球上のどこかにいると、もう一度信じられるようになっていた。


そしてその相手に、俺はこのニューヨークで出会った。




「手紙がくるの? 日本から」


「たまにくるよ。今時わざわざ手紙! だって俺が音大の金、払ってんだもん。今、こんな勉強してます、みたいな近況報告を書いてくるよ。でもそれだけ。あ、時々さりげなく悠馬とのことノロケてるな。自分でノロケてるの気づいてないと思うけど」


「もうカレンったら。だから話を聞けって言ったのに。でも……」


「でも?」


「カレン、潜在意識の中では何かの事情があるってわかってたのかもしれないわよ。最後までセイジのこと悪く言わなかったから。自分のほうの事情にセイジを巻き込みたくなかったんじゃないのかな」


「もう充分巻き込まれてるよ。がっつり。離れられないくらい」







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