NY・Sentimental
2.◇Something new◇ 誠司
「マリッジ休暇だったものでね」
そう彼、ジョージが言った瞬間、なぜかうつむいていたカレンがそっと目をつぶった。
ただ、眉間にシワをよせてゆっくり目を閉じただけなのに、それがやけに女らしいしぐさに見え、意味もなくいらだった。
いらだったと言えば、このジョージという男が出現してから、カレンがまるでさっきとは別人のようによりそってきたことも、相当、俺の中では不快指数をあげたようだ。
いつものごとく十一センチのヒールを履いて、いつもではありえない行動をとり、俺にもたれかかってきたカレン。
この一週間、俺の側に極力寄らないようにしていたのに、なんだその態度のいきなりの変化は!
それが妙にいらだった。