NY・Sentimental
◇◇◇



次の日出、まだ早い時間からカレンがコピー機の前で大量の紙束と格闘しているのが見えた。
受け皿を外してしまい、なにやら調整しているようだ。

困っているようだったから、一歩そっちへ足を踏み出したところで、低いブースで仕切られたほかの部署の男の声が聞こえた。

――カレン・マサキ――

カレン? カレンの話をしている?

『ジョージに振られたばっかりで同じ職場の同じチームはさすがにきついよな』

ジョージに振られたばっかり?
どういうことだ?
もしかして、だから昨日、あの男、ジョージが現れてから動揺のあまり不自然に俺に近づいてきたりしたのか。

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