NY・Sentimental
床に片膝をついた状態で、コピー機の受け皿部分をいじっているカレンのスカートは太ももの半分くらいまで、上がってしまっている。
活動的に働くにはこの短いスカートも開けた襟も、高いヒールも、どちらかというとマイナスに思えるんだけどな、俺には。
カレンがぱっと顔を上げて俺を見る。
いつもの強気なまなざしとはうって変わって、心底ほっとしている表情だった。
女性にこういう顔をされるのは、そう悪い気分じゃないな。
「あ、セイジ。これ、今日の会議の資料。向こうにひとり権力のあるおじいちゃんがいて、その人、ちゃんと書き込める紙の資料じゃないとダメなのに、紙がちゃんと配分されないの。壊れたのかな」
「そうじゃないと思うけど。そんな大掛かりなことしなくても設定のミスなんじゃないですか?」