NY・Sentimental
俺はコピー機の設定画面を上からのぞき込んで確認した。
「何部?」
「二十」
「やっぱり設定が間違ってるよ。カレン、この機械、あんまり使ってないでしょう?」
「うん。最近はこんな資料はあんまり作らないし、作ってもコピーはケイトがちゃんと……」
「カレン?」
立ったままの俺と、俺の言葉に安心してしゃがみこんだまま腑抜けているカレン。
コピー機の前でごちゃごちゃ二人でしゃべっていたら、男の声がわって入った。
「どうしたんだ?」
振り向いて顔を見るまでもなく誰なのか察知し、俺の不快指数はぐんぐんその数値を上げていく。
カレンは素早く立ち上がった。
「なんでもないの。席にもどってジョージ」