NY・Sentimental
「でも、そのコピー機、古いからその新人の、えっと」
「セイジです。セイジ・マミヤ」
「そう、セイジでわかるのか?」
「大丈夫よ」
カレンが俺の腕に手をかけた。
「セイジがいるからだいじょう――……キャ……」
「やめてください」
俺はカレンに触れられた手をそっと払って数歩、横にズレた。
例によって高いヒールの靴を履いているカレンが、派手に片足の重心を失い、倒れそうになったのがわかった。