NY・Sentimental

ウエディングドレスを膝丈でぐるりと一周、大胆にカットすると、ふわりとした長めのバレエの衣装、チュチュが出来上がる。

まとめた頭には銀のティアラ。

「ジゼルの舞台衣装」
感情のこもっていない声はさして暗くもない。


『何か古いもの』Something oldのつもりで持ってきた、トゥシューズをわたしは出してきて、十一センチのヒールを脱ぎ捨てるとそれを履いた。

わたしはもう真っ暗で不安定に揺れる街灯ひとつだけの教会の裏庭に出た。
バレエをやめてからもうどのくらいがたつのだろう。

大学の早い時期に諦めたから、すでに六年くらいにはなるだろうか?

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