底辺アイドルプロデューサー!

私と推し様♡

「ぎゃああああっ!!」
どうしようどうしよう!?
スマホを片手に、私の心は体と共に今にも踊り出しそうだった。
だって、だって……!
「推し様のライブに、当選しちゃったああああああ!」
しかもね、しかもね!?
握手会付き!
これは、もう……
(絶対に行くううううう!)
今にもベッドでぴょんぴょん跳ね出す勢いの私に、妹の(はな)に、「うるさい。」って怒られちゃった。
私、日向(ひなた)萌華(もか)
平凡な、推し活してる一般な女子高校生です!!
つい最近高校デビューしました!
「お姉ちゃん、ユウヒくん推しなんでしょ?もう、私はリーダーのともや様一途だから!」
こちらの生意気な人はですね、私の妹の日向(ひなた)(はな)
もうほんっっとうに生意気なんですよ!
「もう、(はな)こそうるさいなー!私は一生ユウヒ様推しなの!きゃあっ、写真上がってる!」
そう言った途端、写真の更新が入った。
「うおっ!本当だ!ともや様のも上がってんじゃん!」
「ええ待って!ユウヒ様とともや様のツーショットなんですけど!?やばあああい!」
「うわ、これは推せるわ……。」
「それな……。」
「二人とも、うるさい!」
「「さーせん!」」
二人して同時に謝ってしまう。
「だからいつもなんで被んのー!お姉ちゃんと被りたく無いんですけどー!」
「私もなんですけどー!(はな)になんて被りたくないですー!」
「こら、喧嘩しない!」
さっきまで私に注意してた華まで、お母さんに怒られてる。
ベーッと舌を出したら、「お姉ちゃんだって怒られてますー。」って言われちゃった。
ああ、ユウヒ様。お願いします、早く会いたいです!
私は視線をもう一度スマホに移す。
ああでもどうしよう、いざ会ったら私テンパっちゃうかも!?
これはもう、喋ることを先に書いた方がいいかも……。
「はい、今日のお夕飯。ごめんねえ、白米と味噌汁しかなくて。」
「ええー!?おかずは!?無いの!?」
「え!?おかず無しとか無理なんですけど!?お姉ちゃんほんとに!?」
さっきまでソファーでスマホをいじってゴロゴロしてた(はな)が、こっちに寄ってくる。
「うわ、まじじゃん……。そんな食事あるのかよ……。」
「あーあー、もうこれさあ、私バイトした方がいい感じ!?」
「いい感じかもねー。」
(はな)、人任せにしないでよー!あんたはまだ、バイトできない歳でよかったね〜。」
「はいはい、良かったです〜。」
「……それがねえ、萌華(もか)。本当にバイトを頼んだ方がいいかも知れないの……。」
「ええ!?」
「がんば〜。」
「嘘お!?」
わ、私の推し活貯金……。
夢が一瞬でバタンと倒れる。
「お父さんの事務所がね、赤字寸前で。もうほんとに崖っぷちなの。」
「そんな!」
お父さんの事務所。
その言葉が頭をコールする。
そう、私、ザ・平凡女子高校生なのですが……
お父さんの会社が、アイドル事務所なんです!
ええっ!って思ったそこのあなた!
聞いて驚かないでください!
超超超超超〜〜底辺アイドルの事務所なのです!
いわゆる地下アイドル!
ほんっっっとにガックリです。
ユウヒ様がお父さんの事務所にいる、だなんて夢でも思えません!
はあ〜とため息をつきながら、お母さんへ顔を戻す。
「んで、美味しいご飯食べるために」
「お姉ちゃんに働いてもらうと。」
くうう〜、私の言葉、(はな)に取られた〜!
しかも、『お姉ちゃんに働いてもらう』!だなんて!ムカつく!
「うちの家計費もあって、あなたたち二人で推し活してもらってるわけにはいかないのよ。」
「そんなあ〜。」
「お小遣い減らさないでよ〜。」
二人して口を尖らせる。
「で、でも!来週のライブだけは!」
「そうねえ。もう予約しちゃったものだから、仕方ないわね。だけど萌華(もか)、少し話があるんだけど……。」
「話ってなに?バイトなら、引き受けてやってやんなくても無いけど。」
「いやあ、それがね……うーん、また今度にするわね。」
「はあ、言うなら言ってよ。まあ、いいけど。(はな)、さっさとご飯食べてユウヒ様見よ。」
「だ〜か〜ら!私は一生ともや様推しだって言ってるじゃん!」
「はいはい!さ、いただきま〜す!」
「うう……せめてふりかけはかけたいよ……。」
「こらっ、(はな)!ちゃんといただきますしようって!」
「お姉ちゃんに言われたくありませ〜ん!」
ベーッて舌出されっちゃったよ、まったく。
さあて、これ食べたらユウヒ様見ようっと!
そう思いながら、ご飯を一口。
美味しいけど、なんかやっぱり物足りない……!
はあ、自力でやっぱりバイトするしか無いか……。
ええどうしよう、三叉くらいしようかな?
一つ目のバ先→推し活用
二つ目のバ先→推し活用
三つ目のバ先→生活費
はい!そこのあなた!
今絶対、推し活用二つあるやん!って思いましたよね!?
もう、今の推し活じゃあバ先一つじゃ足りないんですよ!?
推しに一万円って安いもんですからね!?
「あー、このスープ味全然無いじゃん!もう、今度から私作るよ。お母さんは休んでて。」
「あら、萌華(もか)ちゃんごめんねえ。そういえば、学校は大変じゃない?」
お母さんの言葉に、ビクッと私の肩が動く。
「それがね……以外といけた。」
「あらまあ!」
「ふーん、お姉ちゃんいけたんだ。」
どうして家族がこんな反応をしてるかって?
私ね……極度な人見知りなの。
だから、人前に立つと、途端に噛みまくるの!!
ほんっっっとになの!
パニックになって、あわあわしちゃって
もうわけわかめ!って感じで。
一回病院に行って検査をしたこともあるんだけど、ほんとに性格上の問題です、って先生に言われて……。
これが、高校生になってもまだ抜けなくて。
でもね……
中学生と小学生の頃、その極度な人見知りが、治るきっかけがあったんだ。
そう、それが……ユウヒ様。
と、もう一人の誰か。
私は腕につけてる、大事なピンク色のブレスレットに目を移す。
このブレスレットには、二つ思い出があるんだ……



「ど、どうしよう……。」
私は一人、途方に暮れていた。
私がいる場所は、ホテル。
まだ小学二年生くらいで、ほんとにどうすればいいのか分からなかった。
家族で一緒に、金魚の餌やりがこのホテルでできるって言われて、一緒にいた。
いたんだけど……帰り際、トイレに置いてかれた。
というか……私が確か、逆方向の出口から出てしまったんだっけ?もうよく覚えていないや。
それで、完全に迷子になった。
周りには、よく分かんないおばさんだけ。
知らない人には話しかけるなって言われてたし、もうどうすればいいか分かんなくて、怖くて泣いていたんだ。
おばさんは、横を素通り。
助け、なし。
助けを求める、人見知りすぎて絶対無理。
まあ、完全に終わってる状況だったんだけど。
「おねーちゃん、泣かないで。」
「……っ、……だれ?」
「おねーちゃん、迷子?」
「きゃあっ!ごごごごごめんなさいっ!」
一人の男の子が、こっちに来てくれた。
完全にパニック状態だったね、あれは。
「おねーちゃん、迷子、あっち行こ!」
「きゃあっ、ダメッ、来ないで!いやああっ!」
「おねーちゃん、大丈夫だよ。迷子センター行くだけだからね。」
そう言って、男の子は手を掴んでくれた。
「ひく……うええ、ごめんなさいごめんなさい……。」
泣きながらパニックになって、謝罪の言葉連続。
もうほんとに、頭の中真っ白だったなあって今振り返ると思う。
「はい、おねーちゃん、ここだよ!もう大丈夫だよ!」
「うええ……ほんとに?」
「うん!おねーさん、この子、迷子!」
そう言って、迷子センターまで私を連れて行ってくれた。
「あら、僕、連れてきてくれたの?」
「うん!僕、偉いでしょ?」
「ふふふ、そうね。ありがとう。こんにちは、お名前を教えてくれる?」
迷子センターにいたお姉さんにそう言われて、もうほんとに頭の中どうすればいいか分かんなくなって……
「……ひなっ、ひなた、も、萌華(もか)、でふっ!」
思いっきり噛んで、迷子センターのお姉さんが何度も何度も、「落ち着いてからでいいから、もう一回言ってくれる?」って言ってたのは、今でも覚えてる。
「じゃあ、今から迷子の放送するから、ちょっと静かにしててね?」
「は、はひっ……!」
ここでも噛んでる私は、ほんっっとうに極度な人見知りすぎると思う。
相変わらず、まだ噛むのは治ってないんだけど。
その後お姉さんが放送をかけてくれて、無事私はお母さんと合流することができた。
でも、びっくりしたのはそこからだった。
何度も何度も、その男の子とそのご家族にお礼をした後。
さあ、帰りましょうかってなって、
家に帰ったんだけど……


「あれ……もしかして、この前のおねーちゃん?」
「はえっ!?」
私のこと!?と思って、あたふたと首を動かしていた。
ここは、お家のお庭。
お母さんにチューリップのお世話を頼まれて、お水をあげに行こうとしたんだけど……
いつもは何もないお隣さんに、電気がついてるの!
しかも、そこから声がかかってる……!
「お、おとなりさんでふぅか……?」
しっかりとここの場面でも、噛んでしまう私。
「おねーちゃん、やっぱりこの前のおねーちゃんだ!ママー、この前のおねーちゃん、お隣さんだよ!」
「ふぇっ!?あえ、えっと……どこかで見たことあふような、無いひょうな……?」
独り言も噛みまくりながら、私は記憶を辿る。
「ああ!この前の男の子!」
まさかのね、お隣に引っ越してきたの!
ホテルだったし、もう会うことは無いかなって思ってたんだけど……
まさかのお隣!ご近所!
って、その時の私はふわふわした気持ちでいっぱいだったんだけど……
一ヶ月くらいで、またすぐどこかに行ってしまったの。
私、その子となら、近所の公園でも遊べた。
お話しすることだって、たくさんできたんだ。
私にとって、初めての友達だった。
(はな)も話し相手っちゃ話し相手だったんだけど、まあ、妹だしなんか違うっていうか……?
と、とにかく!
初めての友達だったのに……
あっけなくどこかへ行ってしまった。
名前くらい聞いておけばよかったよ、ほんとに。
今更後悔しても遅いけどね……。
でもね、きっとね……
私のせいなの。
私のせいで……あの子は引っ越した。
私はあの子に……傷を負わせた。
一生物の傷を。
普通に、いつも通り遊んでたの。
鬼ごっこだったけな。
私がね、鬼役で、
一生懸命追いかけてたんだけど……
ちょっと夢中になりすぎた。
ちょっとどころじゃない。だいぶ夢中になりすぎていた。
気づいた時には、行かないでと言われてる道路。
横からトラックが……来てた。
私はまだ小さい。
手を挙げても、気づいてくれない。
でも、このままの方が良かった。
良かったのに。
「助けてえええええっっ!!!」
頭の中パニックの時に、私が一番使う言葉。
その言葉を……発してしまった。
「危ないっ!」
キーーッと急ブレーキを踏むトラックの音。
必死で誰かが、私を思いっきり覆い被せたこと。
ほんの一瞬の出来事だった。
痛みを覚悟してたけど、私には何にもなくて。
目の前の子だけが、背中に大きな傷を負っていた……!
「……そ、そんな……。」
掠れた声を絞り出す。
その後トラックの運転手が来て、私たちを見て救急車を呼んだ。
私、無傷。
私を庇った……あの男の子、入院。
バカだった、私が本当にバカだった。
何が助けてなの。
自分が傷を負えば良かったじゃない。
そうあの時の私に言ってやりたい。
でもね、あの子。
私を庇った時、まだ意識は少しあったの。
その時に、こんなこと言ってくれた……
「本当はね、今日の最後に渡すつもりだったんだけどね……ちょっともう無理そうだから、先に渡しておくね……。」
「ごめん、ごめんなさい……。」
「これ……僕のは水色でね、君のはピンク色なの。僕ね、ビーズ頑張ってヒモに通したんだよ。これでいつでも一緒だよ。僕がおっきい白いところに連れて行かれても、大丈夫だからね。」
最後まで、私の心配をしてくれた。
きっとおっきい白いところって、病院のことだろう。
そしてその時、渡してくれたのが……このブレスレット。
いかにも、小さい子が作りましたって言う、おもちゃのブレスレットなんだけど……
私はこれがないと、人前に出て話せない。
いつでも、このブレスレットがあるから、不安にならない。
ずっと繋がってるよって、言ってくれたあの子の言葉を信じて……私はこれをずっと肌身離さずつけている。
というか……つけないとダメって感じ?
あの子はその後、病院に運ばれた。
私はお母さんとお父さんに、めちゃめちゃに叱られた。
そりゃあそうだろう。
そして、その子はいなくなってしまった……。
お母さんとお父さんは、その子の母親と父親に謝罪して。
何か色々話してるのが聞こえたけど、会わせてくれることはなかった。
あの子に一生物の傷を負わせてしまった私のことを、今でも恨んでいる。
そう、これがこのブレスレットの一つ目の思い出。
もう二つ目には、ユウヒ様がきっかけ。


中学生になった今だ、人見知りがまだまだ治らない私。
少し一人で新しい文房具を買いたくって、電車に乗っている時だった。
「あれ……無い。」
青ざめた顔で、腕をさする私。
私はブレスレットを……落とした。
その途端に、ブルブルっと体が震える。
どうしよう、どうしよう……!
私はあれがないと、極度の人見知りがますます極度な人見知りになってしまう。
(どうしよう……!あのブレスレット、おもちゃのブレスレットだから、捨てられちゃってる可能性もあるかも……!)
とりあえず次の駅で降りて、私はあたふたしていた。
(いやだ……駅員さんに話しかけたくない……どうしよう、でもブレスレットは見つけたい……。)
そう思って、何度も何度も、聞くことを頭の中で繰り返していた。
「……あっ、あの!」
「……。」
「す、すいません……!」
「……。」
「あのお!」
「……お嬢ちゃん、そこで何してるんだい?」
「……っ!?」
いきなり反応されて、私は頭が真っ白。
どうやら声が小さくて、聞こえてなかったようだ。
「ここここここの変で!ピンク色のブレスレットを知りませんか……?」
文章が変になりながらも、駅員さんに質問をできた私。
「ピンクのブレスレット?そんなの知らないよ。用がないなら、早く行って。」
「……は、はい、そうですよね……。」
(どうしよう……落とし物、届けられてない……?)
私はその後、各駅を探し回っても無いと言われて、
(捨てられたかも……。)
と、とうとう諦めていた。
だけどその時
「ごめんなさい、人違いだったら申し訳ないのですが……このへんでピンクのブレスレットを探し回ってる人ですか?」
「っ!?」
いきなり話しかけられて、私は息が詰まるかと思った。
私はこんな時、ブレスレットに触れて心を落ち着かせるのだが……今はない。
「ごめんなさい、びっくりしないで。落ち着いてからでいいので、教えてください。」
そう優しく言ってくれるお兄さん
「……そ、それって……おもちゃのブレスレットですか……?」
「はい。電車で見つけて、捨てようと思ったのですが……あまりにもボロボロで、なんだか思い入れがありそうだったので……。だけど駅員さんに言ったら、なんだか捨てられそうな勢いで……持ってたんです。」
そう言って、見覚えあるブレスレットを持ち上げるお兄さん。
「!?そ、それです……!」
「良かった!もし違ったらどうしようとヒヤヒヤしてました……!」
なんて親切な人なんだろう、と胸がトクンとした。
「とても大切にされているようですね。きっとブレスレットも喜んでますよ。」
その言葉に、またドキッとした。嬉しかった。
「あ、ありがとうございます……!」
「あの……全然関係ない話で申し訳ないんですけど……」
「はい?」
「僕実は、アイドルやってるんです。」
「っ!?アイドルの人……!?」
私はもう一度頭の中がパニックになりそうになりながら、そう問いかける。
「はい。スターズライトってチーム名なんですけど……良かったら、見てみてください!ごめんなさい、僕、今からライブなので!じゃあね!」
「……ふ、ふぁあ。」
久しぶりの、ブレスレットなしの男の人との会話。
それにしかも、アイドルだなんて……!
家に帰って、すぐにスマホで検索した。
そしたら……(はな)がもうすでにハマってたアイドルグループだった。
そう、(はな)はもうすでに、スターズライトのリーダー、ともや様にあの時からハマっていた。
スターズライトは四人のチームで、
リーダの上原(うえはら)智也(ともや)様。
チームの元気担当で、私の推し様、小林(こばやし)優陽(ゆうひ)様。
チームのメンタルケア役、河原(かわはら)(ひかる)様。
チームの天然キャラ、空野(そらの)(そう)様。
この四人のメンツで、ほんっっとにかっこいいの!
ユウヒ様と会ったって言ったら、(はな)に「ええ!サイン頼んできてよー!!」って言われちゃったくらい魅力的なグループで。
姉妹で同じアイドルグループを好きになるだなんて、まったくだなあと思いながら、私はそのお方の写真を見つけて、名前を知った。
「ユウヒ……確かに、夕日みたいな綺麗な顔立ちで、温かい笑顔だったなあ……。」
その日は、ベッドでぼうっと余韻に浸っていた。


そう、これがこのブレスレットにある思い出。
私は一度、ユウヒ様に会ったことがあるんだ!
思い出すと、今でも頬がにやけてしまいそうだ。
「あー、それにしても(はな)はいいよねー!全く人見知りじゃないじゃん!友達いっぱい!って感じでさー!これでも姉妹か!って感じだよ。」
「言う言葉は揃うくせにね。」
「ほんとそれー!しかも顔も双子じゃないくせにまあまあ似てるし!ほんっとやめて欲しいよ!」
「私こそやめて欲しいですー!」
「はいはい、二人ともご飯食べなさい。」
はあ、とため息をついて、そっとブレスレットを撫でる。
もうこれが、くせになってる。
お風呂以外、このブレスレットを外せない。
寝る時でさえも、付けてないと不安になってしまう。
このくせいい加減辞めたいなと思うけど、辞められない。
もう高校生なんだから、ほんとにやばい。
小学校とかブレスレット禁止だったから、袖に隠していつも学校に行ってた。
夏に関しては、ポケットに入れてた。
体の一部になってるくらいだ。
「ごちそーさま。おかずなかったから、すぐ食べ終わっちゃったよ。」
「はやっ!私まだお味噌汁食べてない!食べ終わったらユウヒ様のライブの準備しよーっ!」
「いや気が早いってお姉ちゃん!一週間後だよ!?」
「ふふんっ!推し様のライブだから、急がないと!」
「急ぐも何もないけどね……。」
「そう言う(はな)だって、ともや様のライブに当選した時は、一ヶ月前から準備してたじゃん!」
「そ、それはっ……!」
一気に顔が赤くなる(はな)
ふふん、今回の姉妹喧嘩は私の勝ちだなー!
そう思いながら、お味噌汁にお箸をつける。
さて、食べてしまおう。
味がほとんどないお味噌汁をすずって、私はにぎやかな食卓を後にした。
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