社長室に呼び出されたら、溺愛生活が待っていました
初めての社長室での昼食
翌日の昼休み、私は嫌々ながら社長室のドアをノックした。

ドアを開けると、社長がまだ忙しそうにパソコンを見ている。

「先に座って食べていてくれ。まだ区切りが悪い。あと5分ほどで終わる」

社長に言われ、私は社長室に置かれている来客用のテーブルに腰掛けた。

先に食べていい……とは、言われたが目の前で仕事をしている人がいるのに流石に食べづらい。

私は携帯を取り出し、少しだけ時間を潰す。


「すまない、今終わった……食べずに待っていたのか？」


何故か社長が驚いた顔でこちらを見ている。

「目の前で後５分と言われて、待たない人の方が少ないです」

「そうかもしれないが……君は俺が嫌いだろう？」

「……まだ本気で嫌う段階まで、社長を知らないので。最初の印象は最悪でしたけど……！」

その言葉に社長は何故か嬉しそうだった。

「お人好しだな」

「そんなことより、早く食べましょう……！」

私がそう言うと、社長がテーブルを挟んで私の向かい側に座る。
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