社長室に呼び出されたら、溺愛生活が待っていました
私は驚いて何も言えずに固まってしまう。



「君は優しい。だから、守りたくなるのかな」



「っ!だから、そういう嘘は要りませんから!」



そう言って、私は頬に触れている初樹さんの手を振り払う。

初樹さんは私に振り払われた手に一瞬視線を向けた後、すぐに私と目を合わせる。

「こういう甘い言葉は嫌いか?」

「嘘に甘いも甘くないもありません!」

初樹さんはしばらく私と目を合わせたままだった。

しかし、しばらくして口を開いた。



「俺に君に嘘をつくメリットはないよ。君が俺に嘘をつく必要が無いように」

「ねぇ、花重。どうしたら、信じてくれる?」

「俺が甘い言葉をかけたいのも、甘やかしたいのも花重だけなんだ」



その言葉はまるで私を本当に愛しているようで。
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