社長室に呼び出されたら、溺愛生活が待っていました
私は初樹さんにも父の体調のことを話し、明日の昼休みは一緒に昼食を取れないと連絡した。

すると、初樹さんから「俺も心配だから、お見舞いに行くよ」と連絡がくる。

初樹さんは私の実家にまだ挨拶に来ていないので、挨拶も兼ねてきて貰うのも一つの案だと思った私は、明日に初樹さんに私の実家に来てもらうようお願いした。

しかし、父の体調が心配だった私はその日の夜のうちに一人で先に実家に帰ることにした。

早なる心臓を深呼吸で落ち着かせてから、実家の門の前に立つ。

玄関ベルを鳴らすと、出てきたのはいつも通りのお手伝いさんだった。


「あら、花重お嬢様。帰っていらしたのですね。久しぶりに会えて嬉しいです。すぐに美恵様を呼びますので、中で休んでいて下さい」


美恵は母の名前だ。
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