社長室に呼び出されたら、溺愛生活が待っていました
リビングで休んでいると、母がすぐに入ってくる。

「花重、もう帰ってきてくれたの?」

「明日、休みが取れたから。それにお父さんが心配で」

「大丈夫よ。それに寝室で休んでいるわ。もし良ければ、顔を見せてあげて」

母にそう言われて、父の寝室のドアを開ける。

父は、ベッドに座りながらも起き上がって仕事をしていた。

「まぁ、貴方。休んで下さいと言ったでしょう?」

仕事をしている父に母がそう言うと父は、

「仕事が残っているんだから、仕方ないだろう」

と、当たり前のように告げる。

母はそれ以上、父に何も言わなかった。

この家は何も変わらないままだった。

忙しい父と父に従順な母。

そんな家庭だった。
< 28 / 47 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop