社長室に呼び出されたら、溺愛生活が待っていました

「お父さん、ちゃんと休んで。休まなければ、治るものも治らないわ」

私が母の代わりに注意する。



「花重、おかえり。仕事が終わればちゃんと休むよ。それより、古谷財閥と婚約が決まったそうだが、初樹さんとはどうなんだ？」

「まさか婚約を渋っていた花重からこんな良縁を持ってくるとは思わなかった。花重が就職するのを許して良かったよ」

「自分が働いている会社の社長と婚約を結ぶとはな。どうやって知り合ったんだ？」



「ちゃんと婚約したんだから、これ以上追求しないで」



父の無意識の嫌な物言いに私はついキツく言い返してしまう。