社長室に呼び出されたら、溺愛生活が待っていました
勇気を出して、私。

緊張している場合でも、震えている場合でもない。

ううん、声は震えたままでもいいから。

泣いていたっていい。

どうかちゃんと自分の気持ちを伝えて。

素直な気持ちには、真剣に向き合いたい。




「私も初樹さんを愛しています……大好きです……」




声が震えていても、涙声でも、どうか伝わって。

私の小さな声は初樹さんにちゃんと届いただろうか。

初樹さんがそっともう一度私に手を伸ばす。




「花重、触れてもいい?」




私が小さく頷いたのを見て、初樹さんが優しく私の頬に触れる。
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