夜にしか会えない魔女は夜がキライ
昨日ちょっと夜更かししたぐらいじゃ全然どぉーってことなくて、門限を破ったあとだってずっと穂月とLINEしてたくらいだし。

でも穂月にはそれが負担だったのかなぁ。

あたしは穂月と一緒にいられる時間が長ければ長いほどうれしいし、眠るまでずっと電話したりLINEしたりしたくて、少しでも夜が長ければいいのにって思ってるんだけど。

これも全部あたしのわがままだから…
穂月は違うのかもしれない…よね?

「はい、次朝見!」

「はい!」

位置に着いてピーッと吹かれた笛と同時に走り出す、もっと早くもっと早くって足を動かしてると風になったみたいで気持ちいい。

いつか風になれるんじゃないかって錯覚する、この感覚が好きであたしは陸上をやってる。

「朝見!好タイム、今のよかったぞさすが我が部のエース!その調子だ!」

「はい、ありがとうございますっ」

顧問の大原先生に褒められた!

このままいけば大会の出場権もイケそうかな…よし!がんばろ!!

空を見上げると今日もいい天気だった。

雲一つない青空だ。


今日の夜も、穂月に会える。


「…やった♬」
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