夜にしか会えない魔女は夜がキライ
「きっとそっ」

「吉川さんも同じこと言ってた」

「……。」

吉川さんとも、この話をしたの??へぇー。

「吉川さん頭痛持ちだから雨の日は影響受けやすいから困るって言ってて、体育祭近くなると頭痛酷くなるって体がもう覚えてるらしいよ」

「へぇー」

詳しいんだね、吉川さんに。

頭痛持ちの人って雨の日は大変なんだね。へぇー…

「梅雨時期はきついよな、気圧の変化が頭痛に影響してるってことだから」

気圧?日常生活で気圧のこと考えたことないからよくわかんないけど。

「あと吉川さんは犬派らしい」

めっちゃ仲良くなってるじゃん!!!
ちょっと知らぬ間にそんなことも話すようになってるの!?

持っていた卓上カレンダーを思わず落としちゃって床に転がっていった。

あたしが体育祭にうつつを抜かしてる間にそんな…!

「俺ら受験生だし、勉強の重圧とかもあって気圧と相まって頭痛が出たりしてるんだろうな」

やばい…、これはやばい。

「頭痛にはカモミールティーがいいし、手には痛みがマシになるツボもあるし、ばーちゃんに言わせれば…」


魔女の特性出てる!!!


魔女は困ってる人を放っておけないの。

病気や怪我を治したり、失くしたものを見付けたり、人々を助けて来たのが魔女だから…


だから…っ

今、穂月の頭の中は頭痛で苦しんでる吉川さんでいっぱいだ…!


「……っ」

もわもわする、なんか変だ。

心臓の辺りにもやがかかったみたい。

「明日も雨なんだよな」

ついでに梅雨も憎い。

「明日も吉川さん大変だよなぁ」

穂月と一緒にいられる時間減っちゃうじゃん!!
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