夜にしか会えない魔女は夜がキライ
night2.)
「ここはシンプルに日傘だよね!!」
うちのママの日傘を借りて来た。ピンクの花柄だけど紫外線99パーセントカットって書いてあったし。
「……大会は来週だよな?」
「予行演習だよ!体育祭でもやったじゃん予行演習!」
「何の予行演習だよコレ」
天気がいい休日の丘の上じゃないもっと広い公園、大会に向けての練習ついでに穂月も呼んでみた。
木陰の下、日傘ともちろん服装はいつも通りの真っ黒な長袖!ちょこんっと木の下に座ってたらちょっと怖い!
「ここなら太陽当たらないし危ないと思ったらこう日傘で!こうっ、なんかこうして!」
「いいよ実践は、そんな突然現れる敵じゃないんだから」
「わかった、じゃあ走って来るなら見てて!」
グラウンド付きの公園は自由に使うことができる。
午前中のこの時間なら早い者勝ちでスペース確保できるし、いつもは1人で走ってるけど穂月がいてくれるならもっと走れる気がする。
ブンブンと手を振ると穂月も控えめに振り返してくれた。
よーしっ、ラストスパート仕上げていくか…!
気を引き締めて走り出す、何度も何度もスタートダッシュの踏切を練習して一気に走り出して。
いつもより力が入っちゃったのは、ちょっとだけ見られてることに緊張したから。
たまに木陰の方を見ながら、時には手を振って。
いきなり当日見に来てね!っていうより太陽の下がどんなものか知っていた方がいいかなって思って今日は呼んだつもりだった。
でも穂月とこうして外に出るのは初めてだったから。
いつも暗い夜ばかりでわかっていなかったんだ、あたしも。
これがどうゆうことかって、全然わかってなかったの…
「あ、もうすぐお昼か」
公園の時計台を見るともうすぐ12時になるところだった。
夢中になりすぎちゃった、たまに休憩してたけどいつもより走っちゃったもんなー…めっちゃ汗かいたし暑いしそろそろ終わりにしよっかな。
ふぅっと息を吐いて背筋を伸ばす、くるっと向きを変え穂月の方へ駆け寄ろうと足を踏み出した。
「…穂月?」
手を振って駆けだそうと思ったのに、その瞬間暑かった体が一気に冷たくなっていった。
視線の先にはぐったりと木の前で倒れ込んでいる穂月の姿があったから。
「穂月っ!?」
あわてて穂月のもとへ走ったけど、あたしの声には応えてくれなくて。
ダラダラと汗をかいた穂月の顔は熱を持っているはずなのに青ざめて、うなる声さえ聞こえなかった。
「穂月!!大丈夫っ、ねぇ穂月しっかりして!穂月っ!!!」
あたしは全然わかってなかった。
うちのママの日傘を借りて来た。ピンクの花柄だけど紫外線99パーセントカットって書いてあったし。
「……大会は来週だよな?」
「予行演習だよ!体育祭でもやったじゃん予行演習!」
「何の予行演習だよコレ」
天気がいい休日の丘の上じゃないもっと広い公園、大会に向けての練習ついでに穂月も呼んでみた。
木陰の下、日傘ともちろん服装はいつも通りの真っ黒な長袖!ちょこんっと木の下に座ってたらちょっと怖い!
「ここなら太陽当たらないし危ないと思ったらこう日傘で!こうっ、なんかこうして!」
「いいよ実践は、そんな突然現れる敵じゃないんだから」
「わかった、じゃあ走って来るなら見てて!」
グラウンド付きの公園は自由に使うことができる。
午前中のこの時間なら早い者勝ちでスペース確保できるし、いつもは1人で走ってるけど穂月がいてくれるならもっと走れる気がする。
ブンブンと手を振ると穂月も控えめに振り返してくれた。
よーしっ、ラストスパート仕上げていくか…!
気を引き締めて走り出す、何度も何度もスタートダッシュの踏切を練習して一気に走り出して。
いつもより力が入っちゃったのは、ちょっとだけ見られてることに緊張したから。
たまに木陰の方を見ながら、時には手を振って。
いきなり当日見に来てね!っていうより太陽の下がどんなものか知っていた方がいいかなって思って今日は呼んだつもりだった。
でも穂月とこうして外に出るのは初めてだったから。
いつも暗い夜ばかりでわかっていなかったんだ、あたしも。
これがどうゆうことかって、全然わかってなかったの…
「あ、もうすぐお昼か」
公園の時計台を見るともうすぐ12時になるところだった。
夢中になりすぎちゃった、たまに休憩してたけどいつもより走っちゃったもんなー…めっちゃ汗かいたし暑いしそろそろ終わりにしよっかな。
ふぅっと息を吐いて背筋を伸ばす、くるっと向きを変え穂月の方へ駆け寄ろうと足を踏み出した。
「…穂月?」
手を振って駆けだそうと思ったのに、その瞬間暑かった体が一気に冷たくなっていった。
視線の先にはぐったりと木の前で倒れ込んでいる穂月の姿があったから。
「穂月っ!?」
あわてて穂月のもとへ走ったけど、あたしの声には応えてくれなくて。
ダラダラと汗をかいた穂月の顔は熱を持っているはずなのに青ざめて、うなる声さえ聞こえなかった。
「穂月!!大丈夫っ、ねぇ穂月しっかりして!穂月っ!!!」
あたしは全然わかってなかった。