大嫌い、なのに抗えない。〜冷酷警視との子づくり契約婚〜


 一体何を考えているのだろうと悩むけれど、今は仕事に集中せねばと切り替える。


「リクトくんおはよう!サキちゃんもおはよう!」
「せんせーおはよ〜!!」
「ともりせんせー、おはよお!」


 今日も元気な子どもたちを見ていると癒される。
 この子たちが危険なことに巻き込まれないように、もっと気をつけなければいけないと改めて気を引き締まる。


「ともりせんせえ、おはよーございます!」
「夢ちゃん、おはよう!」


 ツインテールがトレードマークの夢が元気に登園して来た時だ。
 燈里は思わずドキリとした。

 夢のすぐ背後に、あの黒いキャップにサングラスの男がいたからだ。
 燈里は咄嗟に夢を引き寄せて抱きしめ、大声をあげた。


「なんですかあなたっ!警察を呼びますよ!!」


 燈里の声に周囲がこちらに注目する。
 サングラスの男はビクッとすると、慌てたように逃げ出そうとした。だが、その男の右腕を九原が左腕でグイッと掴む。


「はい、捕まえた。逃しませんよ、不審者さん」
「違うっ、俺は……!」
「どなたか警察に通報してください!」
「違うんだ、待ってくれ!!」
「……ぱぱ?」


 燈里の腕の中にいた夢だが、男の方を振り返ってぽつりと尋ねた。
 すると、その男がサングラスを外す。


「夢……!」
「ぱぱ!!」

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