【完結】国宝級イケメンの華道家は、最愛妻への情愛が抑えられない。



「お、百合。おはよう」

「おはよう、朝早くからどうしたの?」

「百合に話があってね。座って」


 いや、ここ私たちの家なんだけど……と突っ込みたくなったが今はやめておこう。

 私は向かい合って座ると、兄はカバンから大きい封筒を取り出した。封筒のしたの方には有名なテレビ局の名前が印刷されている。封筒から薄いファイルが入っていてそれを取り出す。



「……これは」               
  
「日本舞踊監修及び指導依頼なんだ。元々、俺が受ける予定だったんだがこの際百合が受けてもいいんじゃないかって。半年後に放送されるドラマで、日本舞踊を題材にしているらしいんだ」


 そこには、企画意図や番組概要、ドラマのターゲット層、ドラマのあらすじが細かく書かれていた。これはきっと、社内会議とかで提出されたものだろう。 

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