【完結】国宝級イケメンの華道家は、最愛妻への情愛が抑えられない。
◇再会
ドラマ監修の仕事を受けると決めてから一週間。今日は、テレビ局のドラマ制作部の方々と打ち合わせだ。
「郁斗さん、ごめんね。送ってもらっちゃって」
「俺も仕事が同じ方面だし、ついでだよ。可愛い奥さんを送るためなら車くらい何回でも出すよ……百合ちゃんはいいんだよ。なんで、蒼央はちゃっかり寛いでるかな。もっと乗せてもらうんだからなんかあるでしょ」
「いいじゃん。俺らの仲でしょ、義弟よ」
郁斗さんが近くにある出版社で取材があるらしく、一緒に行こうってなった。
本当は私一人でもいいんだけど、兄がテレビ局行きたい〜と言ったためなぜか同行している。
それなのにこんな態度取って……もう。
「はぁ、本当に変わらないな。仕方ない、シートベルトはしっかりすること!」
「はーい」
兄は普段は立派に次期家元としてやっているけど、郁斗さんといる時は昔から子どもみたいだ……外面はいいからなぁ