【完結】国宝級イケメンの華道家は、最愛妻への情愛が抑えられない。
「このドラマのあらすじですが……」
このドラマは、婚約破棄された女性がある日慰めのために見に行った日本舞踊に魅せられ習っていく中で幸せを掴んでいくサクセスストーリーらしい。
「あの、この台本だと私も出るっぽい感じですが……?」
「はい、最後魅せられる日本舞踊をプロの方に演じていただくことでリアル感が増すと思います」
「確かに……ですが、私が出てもいいのですか? 私、演技なんて出来ませんよ」
「鳳翠先生は、いつも通り踊っていただければ大丈夫です。どうでしょうか……お受けしていただけませんか?」
私は横にいる兄を横目で見る。好きにしろという目でこっちを見ているのがわかった。
演技をしなくてもいいなら、ずっとドラマ監修は憧れていたことでやってみたいなと思っていたしこれから先同じような仕事ができるとも限らない。そう思ったら答えは一つだった。
「私でよければよろしくお願いします」