【完結】国宝級イケメンの華道家は、最愛妻への情愛が抑えられない。
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仕事初日は顔合わせから三日後のことだった。
指導をする日は一週間に二度ほどと言う話で、今日は基本的なことをするので二人に来てもらったがある程度できたらマンツーマンとなる予定だ。教えることは、初心者講座の方に教えることと一緒だけど俳優さんだから緊張するし不安だ。
「月森先生、おはようございます」
「おはようございます。あこ先生」
早く来てしまった私の次にいらっしゃったのはあこ先生こと、藤村綾子さんという方で着物の着付け指導の先生だ。
ドラマ指導としてはとっても先輩で、今までも何作かやっているとのことだ。実はこの先生とは会ったことがある。知ってる人がいてよかったと前回見た時思ったんだよな。
「私もお稽古に同席させていただきますね」
「はい。よろしくお願いします。先生のお浴衣素敵ですね」
「ありがとうございます。これは、お、夫が買ってきてくれて」
これは、郁斗さんが一目惚れした反物で作った浴衣だ。くすみピンク地に白で椿の花が描かれている。私もお気に入りだ。
その郁斗さんは今、全国ツアーがあるため出張に行っている。