【完結】国宝級イケメンの華道家は、最愛妻への情愛が抑えられない。



「……ただいまー」


 玄関で靴を脱ぎシューズボックスに仕舞ってから家に入った。リビングでまたただいまを言ったけど誰も返してくれる人はいないため静かだ。

 現在、郁斗さんはツアー中で不在だ。もう一週間が経つ。広い家で一人は寂しいけれど、毎日電話やLINEをしているし彼がいく前に作ってくれたご飯たちもある。


「よくできた旦那様だよね」


 冷凍庫を開けると今日の日付と夜と書いてある保存容器を取り出す。上にはメモでお品書きが書かれていた。それを剥がして電子レンジに入れて温めを始め、その間に箸とお茶を用意する。

 お茶は、朝水出しの準備をして出かけたので少し楽しみだ。この水出しのお茶は、エピガロカテキンというものが抽出されるため抗酸化力が働く。低い温度で抽出した方がカフェインは出ないため夜におすすめだとかなんとかってお茶屋さんが言っていた……気がする。
 とにかくいいらしい。

 電子レンジが終わりテーブルに配膳すると、手を合わせて食べ始めた。




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