【完結】国宝級イケメンの華道家は、最愛妻への情愛が抑えられない。



「……本郷くん、私帰りますね」

「月森さん。あ、わかりました。……じゃあ、下まで送りますよ」

「えっ、でも私勝手に見学に来た人ですし……本郷くん、さっきまで演出家の方とお話をしていましたよね?」


 さっきまで監督の隣にいる演出の人と話し合いをしていたし、忙しいのではないだろうか。
 ただ声をかけただけなんだけどなぁ


「もう終わったから。それに早めの昼にしようと思って一階のカフェに行くから」

「それならいいんですけど……」


 了承すると、本郷くんは荷物を持ってくるからと控え室に行ってしまったので私はスマホを見ると【良かった。近くに来たら連絡する】とメッセージが来ていた。

 なので【了解です!】と言っているくまさんスタンプを送る。



「お待たせー行こうか」

「うん。行きます」

「今日は月森さん、旦那さんのお迎え?」

「そうです。帰って来たみたいで……なんで、分かるんですか!?」

「ん? 顔が緩んでるから、そうかなぁって。昔からわかりやすいんだよね、月森さんって」


 そんな話をしながらエレベーターで下に降りてあっという間に一階へ到着する。

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