【完結】国宝級イケメンの華道家は、最愛妻への情愛が抑えられない。



 扇子を膝の前に置き、背筋を伸ばし肩甲骨をつけ肩を下ろし力を入れず顎を引く。
 ゆっくりと前に手をつき、一旦止めて挨拶をしながら頭を下げる。その時は肘をなるべくつけて、肘を張りすぎず膝を囲うような形でお辞儀をした。

 そして、ゆっくりと頭を上げ肘を伸ばした形で止まり一呼吸ついてからゆっくり手を伸ばして最初の形に戻るとお辞儀が終わる。

 このお扇子をおくという行為は、“自分と師匠の間に一線を引く”“謙虚な姿勢で踊りを習う”という心の表れと意味がある。
 たかがお辞儀一回二回と言われるがこのお辞儀が難しいし、今後ステップアップをしていく中で踊りをするときにつまづいてしまうこともあるから私は力を入れている。

 それに、もし、私のクラスから離れて違う師範の下で習うことになったら基本が出来てないと文句を言われそうだからなぁ



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