【完結】国宝級イケメンの華道家は、最愛妻への情愛が抑えられない。
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「……んっ、美味しい」
「本当に美味しいね」
注文したオムライスは、ナイフで割って食べるタイプのたんぽぽオムライスと呼ばれるものでデミグラスソースがかかっている。
二人で仲良く割ってご飯と一緒に掬いソースと絡めてから一口食べて思わず声が出た。
卵はふわふわでデミグラスソースはトマト感のない濃厚で、バターライスは卵とソースを邪魔をしないシンプルな味付けだ。
「郁斗さん、よくご存知ですよね。こういう素敵なお店」
「百合ちゃんと帰ったら食事に行こうと思ってさ、調べてたんだよ。オムライス、好きだって前に……師範代の試験を受ける時にご褒美はオムライスがいいってお祖母様に言っていたでしょう?」
「師範代って結構前ですよ!? そんな前のこと覚えてるんですか!?」
「うん。百合ちゃんが言っていたことは覚えてるよ? 当たり前でしょ? ……あ、デザート持って来てもらおうか」
そう言って郁斗さんは店員さんを呼び、持って来てもらえるかお願いをする。
すると、すぐにデザートとアイスティーを持って来てくれた。
デザートは自家製の固めなプリンで、濃厚なプリンに甘くないホイップクリームにほろ苦なキャラメルがマッチして美味しい。
プリンを食べ、アイスティーを飲みながらゆっくり談笑をする。