【完結】国宝級イケメンの華道家は、最愛妻への情愛が抑えられない。



 帰宅してすぐ、お互い手を洗いうがいをしてラフなルームウェアに着替えてからソファに隣り合って座る。すると、郁斗さんが沢山の紙袋の中から木の箱を取り出した。


「普段使いにどうかなって、百合の花が描かれていて似合うと思う」


 木の箱の蓋を開けると、べっ甲風で百合の花と翡翠の天然石がついている簪だった。


「とても綺麗で可愛いです……使わせていただきます」

「あぁ、ぜひ使ってくれ」


 嬉しい。こんな素敵なものをいただいてしまった。



「それと、最後が京都だったから八ツ橋を買って来たよ。あと、宇治抹茶。今夜、夕ご飯が終わったら点てて飲もうか。あとは……」


 袋からまだまだ沢山出て来た。
 それからも似合うのではないかという反物や美しい絵柄の茶器に抹茶碗、服も大量に出て来る……どれだけ買ったの!?

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