【完結】国宝級イケメンの華道家は、最愛妻への情愛が抑えられない。
目が覚めたのは、まだ夜中の二時だった。まだまだ外は暗い。
それにベッドの側にはパジャマがきちんと畳まれていた。
「……あ、百合ちゃん、起こしちゃった?」
「郁斗さん」
私が起きると何故かタオルと洗面器を持った郁斗さんがいた。
「起こさないようにって気をつけていたんだけど、ごめんね」
「……いえ、あの、それは?」
「ん? あ、百合ちゃんが寝てる間に拭こうとしてたんだけどな……」
「えっ、拭いてくださっていたんですか?」
以前の時もしてくれていたんだとしたら知らなかった私はどんだけ間抜けなんだ……
「俺がやりたくてしてるんだ。……あ、寝て。寝転がってて」
「……っは、はい」
起こしていた体を横にすると、郁斗さんが温かいタオルで身体を丁寧に拭いてくれる。
その後、パジャマを着ている間に彼はレモン水にはちみつを垂らしたものを喉が渇いただろうからと持って来てくれてそれを二人で飲み喉を潤した。
「もう少し寝よっか、まだ夜中だし」
「そうですね。寝ましょう」
並んで横になると、彼は私を抱きしめる腕は私の体に回して髪に触れた。髪を撫でられ、心地よくて目を瞑るとウトウトしてくる。
額にリップ音と共にキスを落とされた時にはもう意識は夢の国へ旅立った。