【完結】国宝級イケメンの華道家は、最愛妻への情愛が抑えられない。


 支度が出来てリビングに行くと、郁斗さんは準備万端だった。


「お待たせしましたっ」


 急いだつもりだったのに待たせちゃった。


「待ってないから大丈夫だよ。着物似合ってるね、やっぱり買って正解だった」

「ありがとうございます、郁斗さん……あ、花鋏忘れてますよ」

「ありがとう。忘れたら大変だったよ……これじゃないと、ダメなんだよな」

「そうなんですか? 良かったです」


 あ、これ私のと似てる……?



「郁斗さん、これ私のとそっくり」


 彼に渡した銀色の花鋏には【Fumito.T】と名入れされ、青色が綺麗なラピスラズリの石が嵌め込まれている。同じかもしれないと思い、私の持つ鋏をカバンから出した。
 するととても似たものだった。


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