【完結】国宝級イケメンの華道家は、最愛妻への情愛が抑えられない。
「ここの和菓子屋さんは、職人さんが女性でねたくさん可愛らしいものがあるのよ。SNSもやっていらして……」
身内だけのお茶会なので話しながら、お義母様に点ててもらう。話しながらだが、お作法はしっかりとしながらお抹茶をいただく。
「だけど、百合乃ちゃんはドラマ監修なんてすごいわね。今日、みんなで見るからね」
「ありがとうございます、私も少し楽しみで……」
「テレビで鳳翠先生の日本舞踊が見られるなんて贅沢だわ」
「でも知らない人だとどう思われるか怖いですけどね、今から緊張でムカムカします」
本当に緊張と不安があるのか、段々と胃のあたりが変な感じがする気がする。
今日は早く帰った方がいいかもしれない……
「ねぇ、百合乃ちゃん。失礼だけど……月のモノは、ちゃんと来てる?」
「え?」
生理……そういえば、来ていないかも。
そう思い、スマホのアプリを開くと三週間ほどおくれていることに今気づいた。
「その反応は来ていないのね? あなたたちの夫婦事情は分からないけどね、一つでももしかしたらの可能性があるなら病院に行った方がいいわ」
それに、郁斗さんが帰って来てから夜は一緒に過ごしているし身体も重ねている。お義母さまの言う可能性は充分にあった。