【完結】国宝級イケメンの華道家は、最愛妻への情愛が抑えられない。
エコー写真をもらい退室をすると、外待合ではお義母様はいなくて郁斗さんがいた。
「……っ、百合ちゃん、大丈夫!?」
「郁斗さん……来てくださったんですね。ありがとうございます」
「連絡もらって仕事が終わったから飛んできたんだよ。それでどうだった?」
「……はい、郁斗さん。いるみたいです、ここに私たちの赤ちゃんが」
エコー写真を郁斗さんに渡せばそれをジーッと見て固まり、私と交互に見る。
嬉しく、ないのかな。
「……郁斗さん? 嬉しく、ないですか?」
「そんなわけないだろう!? とても嬉しい。嬉しいが勝って、言葉に出来なかったんだ」
「そう、ですか。良かったです」
郁斗さんが嬉しそうな表情を見せてぎゅっと優しく抱きしめられる。そのおかげで安心して私も笑顔が溢れた。
まだ変化のないお腹なのにここに郁斗さんとの赤ちゃんがいるなんて信じられないけど……診察室で聞いた心拍の音が忘れられなくて私も言葉では表せないほどに嬉しく幸せを感じていた。