【完結】国宝級イケメンの華道家は、最愛妻への情愛が抑えられない。

◇ドラマと報告



 妊娠が分かった夜、私は家でくつろいでいた。

 体調は病院に行ったからかとてもよく、悪阻の症状はいまのところはない。


「あの、郁斗さん……これは?」

「あ、うん。さっき、電子書籍で買った本に妊娠初期にいい食べ物が載っていたからそれ見て作ったんだ」


 テーブルの上にはまるで定食が並べられている。定食屋さんかなと思えるくらいにずらっと並んでいて、どれも美味しそうだ。


「ありがとうございます、郁斗さん。美味しそうです」

「でしょう? 悪阻の症状ないみたいだから普通の食事にしてみたんだけど、食べられないなら残していいからね」


 主食はたんぽぽチコリ入りのご飯に、副菜にはほうれん草のお浸しとモロヘイヤとお豆腐の味噌汁、主菜は蒸し鮭でデザートにはヨーグルトが並べられている。
 お茶は朝仕込んでおいた氷出し煎茶だ。普通に淹れると、カフェインが豊富だが氷や水の低温で抽出すればカフェインを抑えられるといわれているため今の私にはぴったりのものだ。



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