【完結】国宝級イケメンの華道家は、最愛妻への情愛が抑えられない。



「何言ってるの? 私は大丈夫、お義母様も来てくださるし、病院の送迎は綾斗さんがしてくれます。郁斗さんは心配しないで郁斗さんのお仕事をしてください」

「そうだけど……心配なのは心配なんだよ」

「それにまだ報告が出来てないんですから、キャンセルしたら色々模索されます」

「そうだな。終わったら早く帰るから、おとなしく待っていて」


 そう言って私に頭を撫でてから渋々出かけて行った。郁斗さんを見送ると、お仕事もお休みだしやることがあんまりなくてテレビをつけた。

 朝の情報番組を見ながら昨夜にフィルターボトルにて準備していた氷出しの玉露を取り出してグラスに注いだ。

 それをちびちびと飲んでいると、スマホが鳴る。スマホの画面には数少ないグループラインで新しいグループの表示が見えた。
 茉縁さんと本郷くん、舜也さんのグループラインだ。その下に【里谷茉縁】と表示されておりそれをタップする。すると、トーク画面が出てきて、こんばんわというスタンプとメッセージが出ていた。


【こんばんわ、里谷です。お疲れ様です。本日、夜、最終回を迎えます。そこで、打ち上げも兼ねてですが、都合が良ければドラマを一緒に見ながら食事でもどうですか?】


 打ち上げに食事会……なんと魅力的なお誘いなの!誰かと食事会だなんてあまり経験がないからとても嬉しくてワクワクしてしまう。

 早速、郁斗さんに聞いて見よう……現在妊娠中だし安定期前に外で食事なんてダメって言われるかもしれないけど黙って行くわけにはいかない。

 すぐに郁斗さんに電話をかける。するとワンコールで郁斗さんは出た。  


< 164 / 192 >

この作品をシェア

pagetop