【完結】国宝級イケメンの華道家は、最愛妻への情愛が抑えられない。



「――どうした? なんかあったか?」
「――はい。あの食事会に誘われて、行ってもいいですか」
「――食事会か。いいのだが、出かけるのは心配だ。家にシェフを呼ぶのではダメか?」


 シェフを呼ぶ……?シェフって料理人のことだよね?


「――えっとそれはどういうことでしょうか」
「――同級生でホテルで修行して独立した出張シェフがいるんだ。おもてなし係として家政婦のアキさんに来てもらおう」


 郁斗さんは私が口出す暇がないくらいどんどんと決めていってしまう。  


「――それでいいなら食事をするメンバーに聞いてみてくれ」


 そう言われて一旦電話を切ると、トークページを開けばすでにどこにいくかの話し合いをしていた。
 それに【良ければ私の家に来ませんか?】とメッセージを打って送信する。

 するとすぐに既読がついて【いいんですか!?】とメッセージが来た。


【大丈夫です。夫がそうすれば良いと言っていたので】
【ぜひ、お邪魔させてください】


 茉縁さんからのメッセージに本郷くんと舜也さんが続き、オッケーを貰えたので家のURLを送った。

 郁斗さんに再び電話をして了承をもらえたと伝え、来るのは三人と言う。


「――じゃあ、アキさんとシェフに連絡しておく。時間が決まったらLINEするから」
「――はい、よろしくお願いいたします」
「――あぁ」


 電話を切って三十分後、郁斗さんからLINEが入った。時間は十八時に下準備も兼ねてシェフの方が来るらしい。
 アキさんは十五時には行くと連絡があり、私はそれまでゴロゴロして過ごした。



< 165 / 192 >

この作品をシェア

pagetop