【完結】国宝級イケメンの華道家は、最愛妻への情愛が抑えられない。



 ドラマが終わって、最後にと瀬戸さんがブティフールのアールグレイのマカロンとスコーンと紅茶を出してくれたのでそれを飲みながら談笑をして楽しく過ごす。だけど、もうこうやって集まるのは最後なのだなと実感してしまう。


「先生、この度は改めて本当にお世話になって……ありがとうございました」

「いえ。そんな……私こそ、とても貴重な経験をさせていただきました。いい思い出になりました」


 本当に貴重な体験だった。とても楽しかった。


「月森さんは本当にこれで日本舞踊辞めちゃうの?」

「うん。先生としての仕事はこれが最後、これからはまだ決まっていないのだけどね」


 まだ妊娠とか公表していないためここまでしか言えない。公演会だけでも出るつもりだが妊娠中は安定期にならないと出れないだろうし、お腹が膨らんできたら踊るのは難しくなるから。


< 172 / 192 >

この作品をシェア

pagetop