【完結】国宝級イケメンの華道家は、最愛妻への情愛が抑えられない。



「なんで、会ってないのに蒼央が知っているんだ」

「食事会の最中にネットニュースを見たらしい。その時いたのは郁斗が呼んだ出張シェフの瀬戸さん、月森家の家政婦アキさん、郁斗の弟子のミヤビくん、百合が呼んだ脚本家の本郷くん、俳優の里谷さんと舜也さんだ。もう皆帰るところだった時間だったので全員揃っていた」

「……そうか」

「それと黙っておくのはフェアじゃないから言っておくが、百合が救急車で運ばれた」


 ……え?百合ちゃんが!?


「無事なのか!? 大丈夫なのかっ? もしかして俺のニュースのせいかっ」

「それは違うと先生も言っていた。切迫流産の可能性があるから入院することになった。郁斗のせいではないが、今すぐ百合に会わせるわけにはいけない。郁斗に熱愛報道が出たのは事実だし、一瞬でも辛い思いをしたことも事実。結婚を許す条件、忘れているわけじゃないんだよな」

「忘れていない。忘れることなんてあるわけないだろう」

「当たり前だ。郁斗は、なんとしてでも早急に解決させろ。家はメディアがいるから帰れない。百合は、うちに連れて行く。安静がいいらしいからな」


 だが、どうやって解決させればいいんだ……ネットニュースになっているならテレビでも報道されているかもしれない。



「わかった。よろしく頼むよ」




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