【完結】国宝級イケメンの華道家は、最愛妻への情愛が抑えられない。



 そう俺がいえば部屋のインターフォンが鳴る。

 部屋に入ってきたのは綾斗だった。綾斗には蒼央が部屋を教えたんだろう。綾斗が知っているなら、両親もお祖母様もご存知なんだろう。


「兄貴、兄貴には失望したよ。兄貴がやましいことをしていなくても、火がないところに煙は立たない」

「……っすまない」

「じゃあ、蒼央さん。兄は連れて帰ります」


 綾斗に変装するように言われできる限りの変装をすると、部屋から出ようとした。
 するとインターフォンが鳴った。他に来る人なんかいないのではと思い、ドアを開けた。


「お久しぶりです。月森さん。お兄さんも久しぶりです」


 綺麗なお辞儀をすると、蒼央が招き入れる。彼は、最近も会った百合ちゃんの仕事相手である脚本家の本郷涼介という男だった。



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