【完結】国宝級イケメンの華道家は、最愛妻への情愛が抑えられない。




 居間に行くと、母が夕食を並べていて父もお手伝いをしていた。


「百合乃お疲れ様」

「うん。お花もやっておいたよ。玄関に飾っておいた」

「ありがとう、でも重かったでしょ?」

「郁斗さんが運んでくれたから大丈夫だったよ」


 私も手を洗ってきて配膳を手伝おうとするが、両親に座ってなさいといわれてしまい座って待つことにした。
 座って両親を見るといつもながら仲良しでいいなぁと思う。

 家元一族に生まれた父と宗派で生まれた母、許婚だったらしいが許婚とは知らずお互い一目惚れしたらしく珍しく恋愛結婚の二人。
 今も変わらぬ父の愛妻家っぷりは両親だけど素敵だと思う。

 配膳されるのを待っていると兄が帰ってきた。



「蒼央もおかえり」


 蒼央というのは、兄の本名だ。


「ただいま、母さん。今日も美味しそう」

「着替えて、手を洗ってきなさい」

「うん、行ってくる」


 兄が出ていくと美味しそうなチキン南蛮とサラダに卵焼きにお味噌汁が並ぶ。本当に美味しそう。


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