【完結】国宝級イケメンの華道家は、最愛妻への情愛が抑えられない。



「……ごちそうさまでした」


 最初はゆっくり食べていたけど、だんだん箸が進んでペロリと食べてしまった。
 手を合わせて箸を置いて皆を見ると、お祖母様たちは二人で盛り上がっているしお父さんは郁斗さんのお父様とお話をしながら昼間なのにお酒を飲んでいた。


「百合ちゃん、美味しかった?」

「あ、はい……とても、美味しかったです」


 郁斗さんはニコニコ笑っていてその笑顔もかっこいい……そこらのアイドルよりイケメンなのでは?と毎度ながら思う。


「あの、郁斗さん――」


 今回の縁談のことを聞こうと思ったら遮られる。


「私たちは帰るから、郁斗、百合ちゃんをしっかりと送るのよ」

「うん、大丈夫。……ナミエさん、家元、しっかりと家まで送るので安心してください」

「ふふっ、わかってるわ。郁斗くんよろしくね」



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