【完結】国宝級イケメンの華道家は、最愛妻への情愛が抑えられない。



 そんな話をしていると、声をかけられ仲居さんが入ってくる。


「失礼致します。アガリをお持ちいたしました」


 仲居さんは湯呑みに入ったお茶をふたつ置いた。


「本日のお茶は寺坂製茶の玉露入りの粉茶になります」

「ありがとうございます、デザートの注文してもいいですか?」

「はい、承ります。定番の卵の濃厚プリン、本日限定の抹茶のチーズケーキとイチゴのフレジエです」


 どれも美味しそうなデザート名で迷うけど、フレジエというのは聞いたことなくてなんだろうと質問すればフランス菓子でカスタードクリームとバタークリームを混ぜ合わせたムースリーヌに、キルシュを使った日本でいうショートケーキらしい。

 食べたことがないしフレジエにしようかと思うけど定番のプリンも捨て難いと悩む。


「どれと迷ってるの?」

「プリンとフレジエで……食べたことないから食べたいなって」

「美味しそうだよね、じゃあ、プリンとフレジエを頼んで半分こしようか。それならお互い食べられるよ」

「郁斗さんがよかったら」

「じゃあそうしよう」


 待ってくれていた仲居さんに郁斗さんが注文すると仲居さんは部屋から出て行った。それから数分後、デザートが運ばれてきた。



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