【完結】国宝級イケメンの華道家は、最愛妻への情愛が抑えられない。


「百合ちゃん、綺麗だよ」

「郁斗さん。ありがとうございます……郁斗さんもとても素敵です」


 私の花嫁衣装は白無垢だ。錦織で正絹という天然の絹でできた高級感のある光沢を持ち手触りも滑らかな素材で色は完全の白ではなく少しクリーム色がかかった色味になっている。
 柄には吉祥の象徴とされる“松竹梅”や長寿の象徴の“菊”に華やかな“牡丹”に“桜”、番になると一生添い遂げるという風習のある“鶴”や吉兆があるとされる“鳳凰”という金刺繍施されているものだ。

 髪型は伝統的なヘアスタイルで頭の上の方で髷を結いいくつもの簪で飾る文金高島田というものだ。日本舞踊でもしたことのある髪型だが、やはり違う感じ……緊張しているからだろうか。
 化粧も昔ながらの白粉(おしろい)を水で溶いたものを肌に乗せていく水化粧というものに赤い紅をさした。



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