【完結】国宝級イケメンの華道家は、最愛妻への情愛が抑えられない。
「これで百合ちゃんも月森だね」
「そうですね。まだ実感が湧かないです」
写真を撮って役所から出た。
帰りは、少しだけ話をしてるともう千曲じゃないなんて不思議な感じがする。
「ホテル帰ったら、少しゆっくりしよう。ディナーまでは時間あるからね」
「そうですね、そうしましょう」
ホテルに戻ると車は正面玄関に泊まった。
「あの、郁斗さん……ここで降りると、人が集まって来ちゃいませんか?」
「ん? 大丈夫だよ、今俺たちはいつもと違う格好でしょ?」
「あ……」
確かに今は私はいつもは着ない膝丈の花柄の淡いピンク色のワンピースだし、郁斗さんは和服でもスーツでもなく綺麗目のパーカーにスキニー、伊達メガネまでしている。
「だから大丈夫だよ、今はちょっと裕福な家の夫婦に見えるはず」
そんな話をして車から降りると、本当に誰もこちらに誰も集まって来なかった……まぁ、どれだけ変装しても郁斗さんのかっこよさはわかってしまうので男女関係なく歩くだけで虜にしてしまう彼は変わらずいて振り向きこっちを見る人は後を絶たなかった。
人気者は何していても人気だなぁと思いながら、郁斗さんを見て繋いできた手を私もぎゅっと握った。