【完結】国宝級イケメンの華道家は、最愛妻への情愛が抑えられない。
◇初夜
エレベーターで上に上がり、宿泊する部屋に到着する。さっきは気付かなかったけど、よく見たらとても豪華な部屋だった……というか、フロア貸切ってお金どれだけ使ってるんだろう。
「百合ちゃん、座っていてお茶淹れるから」
「え、それなら私がします」
この部屋は小さなキッチンがあってお湯が普通に沸かせる。
「いいから、座ってて。あ、コーヒーとあるみたい。煎茶と紅茶とコーヒー何がいい?」
「そうですね、郁斗さんは何飲みますか?」
「俺は今日はコーヒーにしようかなって。少し暑いしアイスを作ろうかなって」
「じゃあ、私もコーヒーがいいです」
郁斗さんは「了解」と言ってお湯を沸かし始めた。チラッとそちらを見ればインスタントだと思ったが、ドリッパーにフィルターをセットしていた。