【完結】国宝級イケメンの華道家は、最愛妻への情愛が抑えられない。



 個室は二人の空間になっており、ラグジュアリーな雰囲気もあり緊張してくる。


「どうぞ、百合ちゃん」

「ありがとうございます。郁斗さん」


 郁斗さんが椅子を引いてくれてそれに座ると食前酒用のメニューが渡される。メニューを見ると、英語がいっぱいで何が何だかさっぱりわからない。
 分からなくて郁斗さんに聞くと、ウェイターさんがりんごの蒸留酒であるカルヴァドスがおすすめだと言っていたのでそれを二人頼んだ。

 すぐに食前酒がやってきてそれを一口飲めば、りんごの甘酸っぱい香りと口当たりが良く飲みやすかった。
 あまりお酒とか飲まないけど、すごい美味しい。

 飲み終わると、次に一口サイズのアミューズを食べていると前菜と呼ばれるオードブルである魚介と野菜のテリーヌが運ばれて来る。見た目はキラキラしていて味はさっぱりしているのに野菜が甘い。初めて食べる美味しさだった。
 その次にスープのカリフラワーのポタージュが出てきて魚料理のポワソン、お口直しのソルベ、肉料理のヴィアンド・レギュームが出てきた。
 お肉料理は左側から食べ、ひっくり返してはいけないルールだ。一口サイズに切り分けて食べる。


「美味しい……柔らかい」


 ほっぺたが落ちそうなくらい美味しい!



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