【完結】国宝級イケメンの華道家は、最愛妻への情愛が抑えられない。



「百合ちゃん、好きでしょ? そうだ、昼って時間ある?」

「昼ですか? 私、最後なので余裕があるので時間はたっぷりと」

「じゃあ、一緒に食べていいかな?」

「大丈夫です。ぜひ」

「良かった、じゃあ楽しみにしてるね」


 入場開始のアナウンスが流れたため、郁斗さんは午前の部も見るらしくホールへ入って行った。

 私は案内係をして席がほぼ埋まると、アルバイトスタッフさんに後はお願いして裏へと向かった。
 裏には始まるのを今かと待つキッズ教室の子たちが緊張した表情をしていた。初めて舞台に立つ子が多いし、緊張するのは当たり前だ。



「おはようございます!」


 緊張を和らげるためにみんなに挨拶をすれば「鳳翠先生、おはようございます!」と挨拶してくれた。全員の表情を見ると、さっきよりはほぐれたようで安心していると彼らの順番が来て舞台へと出て行った。

 舞台袖から見ながらお稽古の時のことを思い出して感極まって泣きそうになりながら舞台を見た。



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