【完結】国宝級イケメンの華道家は、最愛妻への情愛が抑えられない。



「……百合乃と結婚するなら、幸せにしないと、許さないからね。あの子泣かせたら、空から呪うから」

「……それは怖いな」

「本気よっ! あの子は真面目で努力家で真っ直ぐなの。だから幸せになって欲しい」

「幸せにするよ、絶対……必ず」

「やく、そく」


 子どものように、ゆびきりげんまんをした。その夜に彼女は――亡くなった。

 妃菜乃が亡くなった後、俺は約束を守るために次期家元候補から家元へとなった。
 なるのには、一年かかり、百合ちゃんに求婚したいと申し出をしたが千曲家の権力者でもあるお祖母様に断られ、何度も通いようやく俺は認めてもらったのだ。


 ――ずっと欲しかった、愛しい宝物。

「……絶対、幸せにする」


 そう呟いて彼女の額にかかる髪を避けるとそっとキスを落とした。




         
  
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